THE SURF COASTERS

COMMENTARY

解説

日本が世界に誇るサーフ・バンド、ザ・サーフコースターズ。

デビュー25周年を記念したこのコンピレーションは2000年~2012年という、
サーフコースターズが最もハードなサウンドでロックしていた時代の音源で構成されている。
ギタリスト/リーダーである中 シゲヲは、もともとこのバンドで “オールディーズ” としてではない、フレッシュな “現代のサーフ・ミュージック” を追求してきた。
その点で、このコンピレーションはベーシックなサーフ・ミュージック本来のコアなファンと一般的なロックギター・ファンの間にあった溝を埋めるための決定盤といってよいだろう。
ヒントになったのは、偉大なるギタリスト大村憲司のスタンス。
ハードなブルース/クロスオーバーと「春がいっぱい」「スリープ・ウォーク」に代表されるメロウな世界との両立だ。

現在、この時期のアルバムは全て入手困難である上に、さらに中 シゲヲのソロやレアな音源も収録。
ハード、メロウ、サイケなサウンドを組み合わせてデフォルメすることにより、
今まで気がつかなかったほど煌びやかなサーフコースターズの魅力を引き出すことに成功している。
音楽ライター:近藤正義の監修による、Free Ride Edition 第3弾。

PERSONNEL

各曲解説とパーソネル

解説:中 シゲヲ/近藤正義


1.Miracle  作曲:中 シゲヲ
from the album 『L’esprit』2002年

アコースティック・ギターによるスライドとアルペジオ、そしてSEによるインタールド。
この曲を敢えてトップに配したことで、ヒーリング的なインパクトを感じていただきたい。
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中 シゲヲ:アコースティック・ギター/テルミン


2.Midnight Highway  作曲:中 重雄
from the solo album 『MISSION ONE』2012年

中シゲヲの2ndソロ・アルバム『ミッション・ワン』収録曲。
70~80年代のイギリスのニュー・ウェイヴ系のバンドによくみられる、
一定の循環コード進行の中でメロディを変化させていく手法を
サーフ・インストのフォーマットに落とし込めないかと実験してみた楽曲。
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中 重雄:ギター
栗田伸広:ベース
大野ヒロト:ドラムス
Morley:ギター


3.Refraction  作曲:中 シゲヲ
from the album 『BREAKOUT』2008年

1998~9頃、当時のメンバーとのセッション中に産まれた曲。
当時とほぼ同じアレンジだが、間奏にあった複雑なポリリズムを削除してサビやギター・ソロを付け加えた。
ギター・ソロは何度やっても満足がいかなかった為、デモ録音時のテイクをそのまま流用。録音時の仮タイトルは「フレンズ」だった。
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中 シゲヲ:ギター
栗田伸広:ベース
セキナオタカ:ドラムス


4.Oracle~Light My Fire (メドレー)
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 Oracle 作曲:西田貴世美
 Light My Fire 作詞作曲:John Densmore/Robert Krieger/Jim Morrison/Raymond Manzarek
from the album 『L’esprit』2002年

ザ・ドアーズ「ハートに火をつけて」をサーフィン・カヴァー。
当時サーフコースターズのエンジニアを務めていた長野氏からある時
「オルガンがメンバーにいるならドアーズのカヴァーをやったらハマると思うよ!」と提案され、
その当時元ソフトバレエの遠藤遼一のプロジェクト、ENDSに中がサポート・メンバーとして参加していたことで
遠藤氏に歌ってもらうことを思いついた。
ギター・ソロはミッド・ブースター付きのレースセンサーを載せた82年製サンバーストのUSAフェンダー・ストラトキャスターと
フル・ヴォリュームにした再生産’59ベースマン・アンプの組み合わせで録音。
SEやドラム・ブレイクなどを追加したロング・ヴァージョンがシングルとして同時期に発売されている。
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遠藤 遼一(ENDS):ヴォーカル
中 シゲヲ:ギター
栗田伸広:ベース
セキナオタカ:ドラムス
西田貴世美:オルガン


5.Soyokaze  作曲:中 シゲヲ
from the album 『SAMURAI STRUCK』2005年

前年のサーフコースターズ初のアメリカ・ツアーにて
現地のサーフ・バンドと共演した事でインスパイアされ作曲した。
そのツアーはほんの一週間ほどサンフランシスコ周辺のみだったが、
底抜けに明るい典型的なサーフ・バンドが多いロスと違って、
ヨーロッパのインストや土地柄かサイケデリック文化の影響を受けているバンドが多く、
一口でアメリカのサーフィン・ミュージックと云っても場所によってスタイルが様々なのを実感、面白かった。
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中 シゲヲ:ギター/エレクトリック・シタール
栗田伸広:ベース
セキナオタカ:ドラムス


6.Starting Over Again  作曲:中 重雄
from the solo album 『MISSION ONE』2012年

80年代のシャドウズやデュアン・エディのようなスタイルを試してみたく、
それを当時のジェフ・リンがプロデュースしたら・・・というイメージで作った楽曲。
フェイドアウト間際に出現するスライド・ギターはジョージ・ハリスンを意識した。
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中 重雄:ギター/プログラミング
栗田伸広:ベース
Morley:ギター
深川翔太:キーボード
伊藤こずえ:タンバリン


7.Pipeline  作曲:Brian Carman/Bob Spickard
rom the album 『BREAKOUT』2008年

日本ではザ・ベンチャーズの名演で知られる、ザ・シャンテイズが
63年に発表しビッグ・ヒットとなったサーフィン・クラシック。
ジョニー・サンダースやハノイ・ロックス、
スティーヴィー・レイ・ヴォーン&ディック・デイルなどなどカヴァーも数知れず‥。
敬愛するそれらのヴァージョンを全部ひとまとめにしたらどうなるのかな?
という思いでアレンジしたのが20年以上前。
当時のライヴではサイド・ギターの酒井昌史とギター・バトルをやっていた。
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中 シゲヲ:ギター
栗田伸広:ベース
セキナオタカ:ドラムス


8.B.D.  作曲:中 シゲヲ
from the album 『p.m』2003年

97~8年あたりにバラード・タイプの曲ばかり書いていた時期があり、
同じくサーフ初のアコースティック・アルバム『p.m.』収録の「レイン・フォレスト」や、
ソロ・アルバム『タイム・ハズ・ウイングス』収録の「ラヴェンダー」などと同時期に書いていたもの。
ギター2本だけで録ったデモとほぼ同じアレンジを採用している。
98年に歌詞をつけてエイト・ビートにアレンジしたものが
酒井昌史と中シゲヲの歌ものユニット、Easeのデビュー・シングル 「おもいでの夏」のカップリングとして収録されている。
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中 シゲヲ:ギター
栗田伸広:ベース
セキナオタカ:ドラムス


9.湘南サンセット Summer Is Nearly Here  作曲:中 シゲヲ
from the album 『Surf Attack』2003年

98年頃、エル・カミーノスのエディ・ウガタ氏から62年製フェンダー・ジャガーを譲ってもらった際に、
そのギターからインスパイアされて何曲か作ったうちのひとつ。
同時に作ったのは98年発表の『サーフデリック』収録の「ブラック・ホール」「フラッシュ・ポイント」、
2000年発表のマーガレットラブランジェリーとのスプリット盤『六人の刺客』に収録の「ライディング・ハイ」など。
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中 シゲヲ:ギター
栗田伸広:ベース
セキナオタカ:ドラムス


10.Nineteen  作曲:中 シゲヲ/栗田伸広/セキナオタカ
from the album 『SAMURAI STRUCK』2005年

当初は04年のサーフ初のライヴDVD『On Stage』用に
セキナオタカのドラム・ソロをフィーチャーする為に書き下ろした楽曲で、
その後のライヴで徐々にアレンジをかためていった。
このレコーディング・ヴァージョンのナオタカのソロはロート・タムを使用。
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中 シゲヲ:ギター
栗田伸広:ベース
セキナオタカ:ドラムス


11.Baja  作曲:Lee Hazelwood
from the album 『SURF is Dead』2000年

アストロノウツのカヴァー。
原曲はアップ・テンポの軽快なリズムが印象的だが、
サーフコースターズは、ジャック・ニッチェ「ロンリー・サーファー」、
ザ・サンダルス「エンドレス・サマーのテーマ」をモチーフに
スケールの大きいアレンジを施してこの曲を蘇らせた。
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中 シゲヲ:ギター
栗田伸広:ベース
みやけこういち:ドラムス


12.Rumble  作曲:Milt Grant/Link Wray
from the album 『SURF is Dead』2000年

リンク・レイのカヴァー。
リンク・レイmeetsクリームというイメージでアレンジし、
アルバムでは同じリンク・レイの「ジャック・ザ・リッパー」とメドレーで収録。
ライヴでもその形式で演奏している。
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中 シゲヲ:ギター
栗田伸広:ベース
みやけこういち:ドラムス


13.Legend of Surf (メドレー)
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  Black Sand Beach  1:54  作曲:弾 厚作
  Pipeline  1:48  作曲:Brian Carman/Bob Spickard
  Out of Limits  2:08  作曲:Michael Gordon
  Surf Party  2:25  作曲:Bobby Beverly/William Dunham
from the album 『L’esprit』2002年

本編のラストを飾るのは『レスプリ』にボーナストラックとして収録されたサーフィン・クラシックのメドレー。
スタジオで口頭でアレンジをしてそのまま一発録りのライヴ録音。
そのせいか妙にテンションが高く、多少のミスはおかまいなし。
勢いがもの凄い。
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中 シゲヲ:ギター/エレクトリック・シタール
栗田伸広:ベース
セキナオタカ:ドラムス
西田貴世美:オルガン


ボーナス・トラック

14.Clash (Acoustic Version)  作曲:中 シゲヲ
B side of single 「Light My Fire」2002年

02年発表のシングル「ハートに火をつけて」収録曲。
当時、中がサポートしていたENDSでアコースティック・ライヴをやっていた事からインスパイアされ、
ラテン風味のアレンジを思いついた。
山中湖のスタジオにて合宿録音した『レスプリ』のレコーディング・セッション時の
最終日の朝方に、中と栗田だけで録音した。
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中 シゲヲ:アコースティック・ギター/ハンド・クラップ
栗田伸広:シェイカー/ハンド・クラップ


15.そよ風 (PRIVATE RECORDINGS Vol.1 Version)  作曲:中 シゲヲ
from the album 『PRIVATE RECORDINGS Vol.1』2004年

この曲の発表はアコースティック・ヴァージョンであるこちらが先。
このアルバム自体、当時の中の自宅ですべてプライヴェート録音したもので、
当初は中の2ndソロ・アルバム用に書き溜めていた作品を
『p.m.』に続くアコースティック・アルバム第2弾として集めたものだった
(他の収録曲「夕暮れに消えた微笑み」「ローズ」「ロスト・ニュー・ソング」は
09年のテレビドラマ・サウンドトラック『華麗なるスパイ』に流用された)。
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中 シゲヲ:アコースティック・ギター/パーカッション
栗田伸広:ベース
セキナオタカ:パーカッション


16.夢のあと (ON STAGE DVD original mix)  作曲:中 シゲヲ
from DVD 『ON STAGE』 original mix 2005年

映像作品『ON STAGE』にてスタッフからエンディング・クレジット用の音源依頼で作った曲。
その後『プライヴェート・レコーディングスVol.1』に若干のEQを施したヴァージョンを収録したり、
また『BREAKOUT』のUSヴァージョン『Outside Break』に
ストリング・パッドや波の音のSEを加えた別ヴァージョンが収録されたが、
DVD収録のオリジナル・ヴァージョンはここで初お目見え。
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中 シゲヲ:アコースティック・ギター



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