重実 徹/センシュアル・ピアノ[Tohru Shigemi/Sensual Piano]

NOTES

アレンジャー/プレイヤーとしての重実徹氏とは
また別の側面のアルバム。

ピアノを中心にしたインスト集だが、(特に)最近のジャズとは少し異なる。 「きれいなメロディを持つピアノ主体の音楽で、ビートもあり、小難しくない作品を作りたかった」

 

まずピアノの音色に耳を奪われる。水中を伝わってきたような濡れたピアノの音。
M1のタイトルであるモネの「睡蓮」を想起させる。
ニューヨーク近代美術館で見た名画に触発されて作ったというこの曲のピアノ・サウンドが、
アルバム全体の色合いを支配している。

M4の冒頭のルバート部分を作ったことからこのアルバムの制作がスタートしていて、 
ほとんどの曲は、まずピアノを弾いて曲のアウトラインを決め、
その後に使用する楽器やビートの配置を決めて曲を構成していったようだ。

本作ではピアノやオルガンのパートにほぼ修正や編集が加えられていない。
「得意なライヴでのプレイで現れる、きらめきを残せるように」

メロディアスなベース・ラインも大きな魅力、メロディとの絡みが美しい。
M10のギター・ソロにも注目、
このソロはキーボードによって奏でられている。

唯一のボーカル曲、M3はデルフォニックスが1968年に放ったヒット曲のカバーで、
歌っているのはMISIAのツアーでコーラスを担当しているLyn。
「類い希なグルーヴ感を持つ彼女に、50年近く前のスイートなソウルを歌ってほしい」

「演奏する方も楽しくて、気持ち良く聴ける音楽ができないか」と考えて完成したというこのアルバム。
ミックスダウンも本人の手により「その曲のためだけに」されていて、
「身構えず、それぞれの曲をゆったりとした気持ちで聴いてほしい」と語ってくれた。


大山 哲司

HOME |  NOTES |  DISCOGRAHY |  LISTENING |  LISTENING(hi-resolution) |  CONTACT |  LINK